海外の非英語圏で英語を使うと、一口に英語をいっても様々な英語が存在することに気づきます。
特に東南アジアでは独特の癖や訛りが強く、アメリカ英語やイギリス英語をマスターしていても最初は戸惑うかもしれません。
実は英語というのは「非ネイティブ」の英語スピーカーの方が圧倒的に多く、今後もその割合は増えていきます。
だからといっていきなり癖のある英語を学ぶ必要はありません。最初に基本を押さえてから応用を学べばよいです。
ただ、「世界にはいろいろなタイプの英語がある」ことを知っておいて損はないでしょう。各国の癖がわかれば、各国の人と話した時に役立つかもしれません。
この記事では世界の癖や訛りの強い英語を集めてご紹介します。

もはやネイティブは稀少?世界の英語人口の約8割は非ネイティブ
少し古いですがHarvard Business Reviewが2012年に取得したデータによれば、世界には17.5億人の英語スピーカーが存在しています。世界の4人に1人が英語を話せるということです。
さらに面白いのは、そのうちネイティブスピーカーは22%の3.9億人しかおらず、残りの78%は非ネイティブという部分。
2012年のデータでこの状況です。グローバル化が進んだ現在ではさらに英語人口の内、非ネイティブが占める割合は増えているでしょう。

英語大国に訛りはあるのか
英語といえばアメリカとイギリスですが、実はこの2国の間でも訛りの差がありますし、さらにアメリカ国内・イギリス国内においても訛りが様々です。
ここでは簡単に紹介しておきます。
アメリカ英語とイギリス英語
英語といえばアメリカとイギリスのイメージが強いですが、実はアメリカ英語とイギリス英語の間でも発音や訛りの違いがあります。
全体的な傾向としてはアメリカ英語の方が「r」の音を強調して巻き舌のように使ったり、「t」の音を省略したりする傾向があります。また、アメリカ英語の方が速い印象がありますね。
また、発音だけでなく綴りや単語も異なることが多く、例えば「劇場・映画館」を意味するシアターはアメリカ英語だとtheater、イギリス英語だとtheatre、アメリカ英語のorganizeはイギリス英語だとorganiseになります。
また、「郵便」はイギリス英語だとpost、アメリカ英語だとmailとなり、英語の文章末に打つピリオド「.」はアメリカ英語だとperiodですがイギリス英語だとfull stopとなります。
このように同じ英語大国であっても、発音や使用する単語が違うのは面白いですね。

アメリカ英語の中でも方言や訛りがある
先程アメリカ英語とイギリス英語の違いを紹介しましたが、実はアメリカ英語の中でも方言や訛りがあります。
まずはこちらの動画を見てみてください。
パート1なので一部しか紹介されていませんが、アメリカ国内でも西海岸の英語(Western American English)や南部アメリカ英語(Southern American English)、ニューヨーク英語(New York City English)など様々な訛りやアクセントの違いがあります。
全体的な傾向としては東海岸に近いほどイギリス英語に近く、西海岸に行けば行くほどイギリス英語から離れていく印象です。また、南部アメリカ英語などはゆっくりとした話し方でかなり独特な方言となっています。
それ以外にも、様々な人種が多く住むアメリカではラテン英語だったり、ヒスパニックだったりと地域や人種、文化的背景によって全然訛りや話し方、使う単語が違います。

イギリス英語の訛り
続いてこちらの動画を見てみてください。
国土はアメリカよりもかなり狭いですが、実はイギリス英語も訛りのオンパレードです。
スコットランドやウェールズといった地域による訛りが変わりますし、ほんの数km移動しただけでで発音が変わってくる場合もあります。
またそれだけでなく、身分や階級による発音の違いもあり、同じイギリス人同士でも難しいと言われています。
イギリス英語の中でも一番有名なのがBBCが利用している「容認発音, Received Pronunciation (RP)」です。王族の英語としても知られ、King’s English、Queen’s Englishとも呼ばれます。
比較的聞き取りやすい容認発音ですが、実はイギリス人の中で日常生活で使用しているのは2%程度だとか。イギリス英語の発音・訛りの多さがよくわかりますね。

世界の英語訛り 国別ランキング
これからの時代は非ネイティブの英語が中心(?)になっていくのかもしれません。でも、非ネイティブの英語と言っても一筋縄にはいきません…。
ということで、世界の中でも特に癖や訛りが際立っている英語(ある程度の話者がいるのが前提)をランキング形式で集めてみました。もちろん、その国のすべての人がこのような発音をするわけではなく、中にはネイティブと遜色ない綺麗な発音の人もいます。
あくまでも「傾向」としてご理解ください。
4位:フランス英語
フランス語の発音は非常に癖があり、鼻の奥を使うような他の言語には無い独特な発音が使われます。
この癖が英語になっても抜けない場合が多く「英語なのにどこかフランスっぽい」英語になります。
個人的にはかっこいいランキング1位の英語です。
3位:ロシア英語
ロシア人の英語も癖や訛りが強く残りがちです。ロシア語ははっきりしたわかりやすい発音が特徴です。そのため英語もストレートにアルファベット表記のまま発音しがちです。
日本語もわりとはっきりと発音する言語なので、日本人にとってはロシア人の英語はわかりやすいかもしれません。
どうでもいい話ですが、昔「メタルギアソリッド」というゲームが大流行しました。その中で出てくるロシアスパイの英語が見事に訛っていたのを懐かしく思い出します。
2位:中国英語
世界最大の人口を抱え、経済も発展している中国。世界で最も英語を話す人が多い国になる可能性もあります。
そんな中国人の英語ですが、日本人と同じかそれ以上に癖が強いです。中国語は独特の子音を持っているため、ところどころその癖が英語にも残ってしまうようですね。
訛りの激しい中国英語は時折中国語に聞こえてしまうほどです。
1位:インド英語
昨今増える「世界の英語」の中でも特に難解、でも最重要と言われているのが「インド英語」です。
世界第2位の人口を抱えるインドはIT技術者産出国であり、世界経済との関係性も年々強くなっています。世界ではIT系企業に入ったら上司がインド人、なんてことも増えてきました。
ただ、彼らの英語が独特すぎてかなり難解です。
独特の発音に加え、英語のリズムがほぼ消えた不思議なリズムで話します。
ネイティブに言わせても「聞き取るのが難解」と言わせるインド英語。マスターすればある意味英語に加えて「第3言語」並みの価値を発揮するかもしれません。

何はともあれまずは基本を学ぶことが一番大事
いかがでしたでしょうか?
英語の訛りが残っているのは何も我々日本人だけではありません。日本人は「日本語の癖が抜けなくて恥ずかしい…」という人もいますが、他の国だってみんな同じです。多少の訛りなど気にせず、積極的に英語を使っていく方が大事です。
いやー、それにしても国によって本当に英語って変わりますね(笑)
ただ、どれだけ非ネイティブの話者が増えようともネイティブのスタンダートな英語が中心であることは変わりません。
基本を知る前から応用を練習する必要はないです。
でも、機会があればたまに「癖が強い非ネイティブ」との会話にトライしてみるのも良いかもしれません。
蛇足ですが、オンライン英会話のDMM英会話だと世界中の英語講師と話すことができます。

難解なインド英語の先生もたくさん所属していました(でも皆さん割と発音が綺麗…さすが講師)。

インド赴任前など、海外赴任前の準備として使えるかもしれませんね。
興味がある方は公式サイトを覗いてみてください。