「英語を習得するためには外国人の恋人と付き合うのか早道だ」
誰しも聞いたことがあるでしょう。本当のところはどうなんでしょうか?
3年の交際期間を経て、外国人の嫁(非ネイティブだけど英語ペラペラ)と結婚した筆者が赤裸々にお答えします。ちなみに結婚してから2年経過しました。
嫁の英語力について
先に嫁について補足説明をしておきます。
彼女は東南アジア人で英語が苦手とされる国の人です。でも英語はかなり堪能。
留学経験はないですが「授業は全部英語」の大学で修士課程まで修了。職場も会話は英語で、英語圏の顧客も担当しています。
蛇足ですがお付き合いした当時の私は日本から飛び出したばかり。簡単な会話はできますが込み入った英語は全然話せませんでした。
ちなみに外国人と付き合うのは初めて。まさか結婚するなんて人生は意外性に溢れています。
結論から話すとかなり上達した

お付き合い期間や同棲、そして結婚生活を通じてここ数年で英語力はかなり上達しました。
TOEICなどの客観的な数値で表せないのが恐縮ですが、そうですね…付き合った当時はデートで会話するのが精一杯でしたが、現在は喧嘩もするし相手の職場の悩みも聞いてあげるし、家族計画なども話し合えるようなレベルになりました。
大切なのはもっと話したいという欲求

「必要は発明の母」という言葉がありますが、言語学習においても同じことが言えます。「話したいという欲求」や「話す必要性」が英語力を育てます。
日本人同士と比べると国際恋愛は言いたいことの10%も伝えられないところからスタートします。言語の問題もあるし、文化差も最初のころはかなり大きい。だからこそ「対話」で埋めていかないといけないのですが、これがまた話せないのでもどかしい。
このもどかしさが「必要性」を感じさせて英語の勉強を促すのです。
目の前の必要性に迫られて勉強をするのですから、INPUTがそのままOUTPUTにつながります。そりゃあ漠然と勉強している人と比べれば英語力は向上します。
よく「海外に行けば英語を話せるようになる」と思っている人がいますが、これは大きな勘違いです。実際に海外で生活していると現地に長く住む日本人とも出会いますが、日本人コミュニティだけで生活が完結している人は何年住もうが現地語は話せるようにはなりません。それよりも日本国内で必要性を感じて勉強した人の方が断然話せたりします。
逆を言えば、日本に住んでいても「英語を使う必要性」をうまく創出できれば英語を話せるようになるチャンスはなんぼでも作れるということですね。そのうちの一つが外国人と付き合う国際恋愛なのでしょう。
他の言語でも恋人効果はある

ちなみに恋人効果は英語以外でも効果てきめんです。あくまで筆者の周囲の話ですが。
知人の中に、米国育ちで中国の大学を修了した韓国人がいます。
彼は韓国語、英語、中国語をすべてネイティブレベルで扱えるのですが、なぜか日本語もネイティブレベルで使えます。でも彼は日本に住んだことはありません。
なぜか?理由は明確で、中国の大学時代に日本人の恋人と付き合っていたからだそうです。もちろん彼自身の賢さや語学センスの影響もあるのでしょうが、それにしても日本語が流暢すぎる。恋愛パワーはすごいな、と思い知らされたストーリーでした。
恋人学習法に頼りすぎるリスク

「外国人の恋人を作っても英語は話せるようにならない」という情報もたまに見かけますね。
私自身は「英語力が向上した」ので「外国人の恋人と付き合うことで語学力は上げられる」と考えていますが、依存しすぎることによるリスクやデメリットは確かにあります。
まぁ外国人と付き合うのは唯一の勉強法ではありませんので大したことではない(他の勉強で埋めれる)と思っていますが、参考までに書き出してみます。
非ネイティブの場合癖はある
非ネイティブの場合は英語が堪能でも多少の癖が残ります。帰国子女組であればネイティブ同様の英語を話すのでしょうが、そうでない場合は「よく使う表現」や「どうしても母国語の癖が残る発音」があります。
日本人がRとLの発音が苦手だったり、「I think…」とついつい冒頭につけてしまうのと同じ。きっと各国にこういう癖があるんでしょうね。

使う単語や表現に限界はある
これはネイティブでも非ネイティブでも一緒だと思いますが、恋人や夫婦だと会話の種類が限られます。習得できる会話の種類や難易度には限界があるでしょう。
もし別のテーマや難易度の高い会話を学びたいのであれば、そういう話題を積極的にパートナーと話すのは解決策かもしれません。
でも、個人的にはそこまでするのであれば別で英語の先生を雇えばいいと思います。ある程度は話せるようになっているでしょうしね。
最初は大変です
付き合い始めはけっこう大変です。
日本人同士でも性格が異なれば理解しあうのに時間はかかりますよね。
国際恋愛の場合は「性格」に加え「言語の違い」があり、さらに「文化差」が目の前にそびえたちます。
まあ、この文化差があるからこそ刺激的で学びのある、建設的なお付き合いができるという側面もあります。ある程度相手を理解できるようになればどんどん面白くなりますしね。
恋人を探すときの注意

英語を話せる人であればネイティブでも非ネイティブでもいいと思いますが、恋人を選ぶ際の注意点はあります。あくまで「英語学習効果」を考慮した場合の注意点です。
自分より英語力が上じゃないと意味がない
非ネイティブの人と付き合う場合は、当たり前ですが自分よりも英語が上手じゃないと意味がありません。少なくとも自分の英語力が大きく伸びることはないと思います。
私の場合は嫁の英語力がかなり上(医学用語とかもわかるレベル)で、嫁から盗んで学んだことが多々あります(ありがとう、嫁)。
逆に私より英語力が上だった嫁からすると、私と付き合って得たメリットは「日本語の癖が残る英語を聞き取れるようになった」ことくらいでしょう。
ネイティブの場合は相手の格が大切かも
非ネイティブの場合、英語が堪能な人はある程度の教育を受けています。第二言語として学ぶので少し硬いかもしれませんがキレイな英語を話します。
でもネイティブの場合はわかりません。発音がきれいだからといって恋人の英語に影響を受けすぎるとスラングばかりの汚い英語になった、ということもあり得ます。
これはあくまでも私の仮説ですが、(あくまで英語学習効果を副産物として狙う場合)ネイティブと付き合う際には相手の格は意識した方がいいのかもしれません。
ちゃんと恋愛できる人を選ぶ
なんだかんだで一番大切なのは「ちゃんと恋愛する」ということです。いくらネイティブや英語堪能な非ネイティブと付き合おうが「もっと話したい」という気持ちがないことには語学力は向上しません。
「英語を学ぶ」という目的があまりに先に来てしまうと、結局は恋愛もうまくいかないでしょう。まさに本末転倒というやつです。
となると最初の恋人探しの段階では「英語を勉強したい」というモチベーションだけでは難しいかもしれません。「英語」というより「日本人以外の人と付き合ってみたい」という好奇心をモチベーションにした方がいいのでしょうね。
「外国人は苦手だけど…英語のために無理に付き合う…」という流れだと100%うまくいかないと思います。だったら安いオンライン英会話で外国人と話す機会を作った方が無難かもしれません。

国際恋愛は良い人生経験になるのでぜひ積極的に!
英語学習をテーマに国際恋愛について語ってきましたが、英語を抜きにしても国際恋愛はとても良い経験になります。
私の場合は結婚まで行きましたが、別に結婚までいかなかったとしても得られることはたくさんあると思いますよ。
ぜひ外国人と知り合うきっかけがあれば、「自分には無理」など壁を張らずにオープンな気持ちでお付き合いしてみてはいかがでしょうか。