英語コラム

東南アジア人に学んだ英語を使えるようになるために最も重要なこと

私が現在住んでいる国は日本と同じく「英語が苦手な国」として知られています。ところがこのエリアではほとんどの大卒の人が英語を話せます。

彼らを観察すると、日本人が英語を苦手に感じる理由、そして英語を習得するために大切なことのヒントが見えてきます。

インドネシアの大卒は英語を話せる人が多い

日本人は英語が苦手と言われます。他国から見てもそう思われていますし、日本人自身も自分達のことを「英語が苦手な人種」と認識しています。

現在、私はインドネシアという国で生活をしています。インドネシアの公用語は「インドネシア語」であり、インドネシアも「英語が伝わらない国」としてなかなか定評があります。

ところが実際生活してみると、驚いたことがありました。

確かに国民の多くは英語が話せず、レベル感として日本と同じです。しかし、大卒レベルになると一気に英語を使える率が上がります。

感覚的な話ですが、大卒のほとんどの人が多かれ少なかれ英語で会話をすることができます。

私が住んでいるエリアが「首都(ジャカルタという都市)」ということもあるかもしれません。ただ、同じ「首都」である東京で、ランダムに大卒を100人ピックアップしたとして、いったい何人が英語を話すことができるでしょう?

きっとジャカルタと同じような結果にはならないでしょう。

この傾向は他の東南アジアの国でも変わりません。例えばタイやベトナムでもある程度教育を受けた層であれば英語を使うことができます。

 

日本と東南アジアの英語に対する違い

この「日本」と「東南アジア」の差はどこから生まれてくるのでしょうか?

私が考えるに3つの大きな違いがあります。

 

ハングリー精神の違い

ハングリー精神には色々な語り方がありますが、ここでは「教育投資」に対するハングリー精神を指しています。

日本とは異なり、東南アジアの国々ではまだまだ大学へ行ける人というのは多くはありません。勉強ができても金銭的な問題で行けない人もたくさんいます。

そのため、大学で勉強ができるということに対する意識が日本とは異なります。大学へ行ったからには何かの能力を着実に習得しなければならない、という意識が高いのです。

 

外国人に対する「当りまえ感」の違い

日本語で、閉鎖的な考えについてネガティブに評する時に使われる言葉で「島国根性」という言葉があります。

外国文化との接点の無さを揶揄する言葉でもありますが、実際日本人は外国人に対して非常に「特別感」を持っています。

島国であり、他国と陸地で国境を分けていない、という理由もありますし、他国に一度も支配されることなく1,000年以上続いている唯一の国、という理由もあるでしょう。

一方で今回話している東南アジアの国々の歴史を遡ると、国の入れ替わりが非常に激しく、西欧列国に植民地化された時期もありました。

そのため、東南アジアの人たちは「他国の人がいて当り前」という雰囲気があります。

「学習してもいつ使うかわからない」という状況ではなく、「すぐそこに外国人がいるのでビジネス上使わざるを得ない」という状況のため、習得率が高いのです。

 

ミスに対する許容性の違い

最も大きい違いはこの項目です。

東南アジアに限ったことではありませんが、外国というのは日本よりも失敗に対して寛容です。良いか悪いかは別の議論ですが、たとえ仕事でもミスしたからと言って日本ほど責め立てられません。「ミスは生じて当たり前」という感覚があります。

そのため、学習途中の学生はもちろん、英語をそこまで話すことができない人、でも英語を使うことに恐怖心が全くありません。

日本人の場合は「伝わらなかったら怖い…」と感じますが、彼らは「伝わらなかったら…まぁしょうがねーか、そん時考えよう」というような感覚なのでしょう。

 

日本人が英語を習得するために

上記で触れたような環境や心境とまったく同じものを持つことは不可能ですが、何かしらのヒントになるものはあります。

端的にまとめるとこのようなポイントになるでしょうか。

  1. 自分に投資し、投資を必ず回収する意識を持つ
  2. 学習中でも学習後でも、実際に英語を使う場を強制的に作る
  3. 失敗を恐れずに使ってみる

書いてみると当然すぎるように感じるかもしれませんが、こういう細かい点を実践するかしないかで差が出てくるのだと思います。

 

失敗を恐れないで英語を使ってみる

個人的には3の「失敗を恐れずに使ってみる」が最も難しいですが、最も重要だと考えています。「失敗を恐れない」という感覚は一度身に着けてしまえば何てことないのですが、最初に超えるのが難しい。

少し気楽に考えてみると良いのだと思います。

いきなり外資系のオフィスで360°英語で仕事をする環境にでも置かれない限りは、「一生懸命不完全な英語で話しかけようとしてくる外国人」をネイティブは拒絶しません。

むしろ好意的に受け取られる可能性だってあります。

私も海外で日本語を学習している外国人に話しかけられることはありますが、ネガティブな印象を持つことはほとんどありません。私の母国に対して興味を持ってくれている、と好意的に感じる方が多いのです。

アウトプットは最大のインプット、なんて言葉もあります。もしチャンスがあれば積極的にアウトプットしてみましょう。

でも、最低限のインプットは必要なので事前学習も怠らないようにしてください。

学習について興味がある方はこちらの記事もご参照ください。

https://over30-english.com/planning/actual-planning/