単語の学習を続けていくと、中にはどうしても覚えられない単語も出てきます。
そのような時は勉強の仕方を少し見直してみてはいかがでしょうか。
この記事では、単語学習に詰まった際にちょっと役立つ暗記術をご紹介します。
どうしても出てくる覚えられない英単語
英語学習で英単語の習得は一番最初の登竜門です。誰しも最初は単語の量が少ない状態から始まるので、英単語のみに励まなければならない時期があります。
学習していくと気づくのですが、英単語の中には”覚えやすいもの”と”覚えにくいもの”があります。
身近な英単語や聞いたことのあるような英単語は比較的簡単に覚えられるものです。
一方、今まで一度も聞いたことが無い英単語や、普段日本語でも触れないような意味の英単語というのは覚えにくいものです。
覚えにくい単語に使いたい効率的な暗記技術
英語を話すためには最低限の単語量は必要です。
なかなか覚えられない単語に出会った際の暗記術をいくつかご紹介します。
基本はまず声に出して体で覚える
英単語の学習全般に言えることですが、単語学習の際には「体を使って覚える」のが効率的です。
体とは主に「目」、「耳」、「口」を指します。
学生時代の癖でノートに書き綴って覚える方もいます。その暗記法自体は否定はしませんが、それだけだと効率はあまりよくありません。
目で文字を見て、耳で音声を聞いて、さらに実際に口を使って発音して、さらにその音を自分の耳で聞くことで、正しい発音と単語を一致させながら複数の感覚器を使って覚えていくことができます。
単語学習の基本的な進め方はこちらの記事にまとめています(教材だけではなく汎用的な学習方法についても触れています)。

短い時間でも構わないので毎日繰り返す
充分な学習時間を取っているのになかなか覚えられないという方は「時間の使い方」を見直してみると良いでしょう。
学習についての有名な理論で「エピングハウスの忘却曲線」というものがあります。

実験で人間の脳の「忘れるしくみ」を調べたものですが、
「20分後には42%を忘却し、58%を保持していた。
1時間後には56%を忘却し、44%を保持していた。
1日後には74%を忘却し、26%を保持していた。
1週間後(7日間後)には77%を忘却し、23%を保持していた。
1ヶ月後(30日間後)には79%を忘却し、21%を保持していた。」
という結果が出ています。
小難しいことは置いておいて、簡単にまとめると
- 一回の学習では記憶は定着しない
- 日を跨いで復習をすると記憶は定着する
ということです。
これを英単語学習に当てはめるのであれば「短い時間でも良いので、毎日繰り返し単語に触れることが大事」ということになります。
逆に言えば「どれだけ長い時間をかけても一回で覚えようというのは無理がある」ということですね。
覚えられない単語をリストにしておき、毎日朝と寝る前に5分でも良いので「見て思い出す」ということを1週間毎日繰り返すと、たいていの単語は覚えられます。
既存の記憶とくっつける
すでにご紹介した2つの記憶法は正統派ですが、ここからは少し邪道なやり方になってきます。
どうしても覚えられない場合は「既存の記憶(イメージ)を活用する」という方法があります。
細かいことはここでは触れませんが、人間の記憶というのはいくつかの記憶がネットワークの様にくっついて刺激し合っています。
Aという記憶が呼び起された際に、近くにくっついているBという記憶も呼び出されることがあります。
例えば、誰かのことを話していたら思わず関係ない昔の話を思い出して笑っちゃったりする場合ありますよね?
この仕組みを利用します。
やり方は人それぞれで構わないのですが、知り合いの名前やイメージを使うのはやりやすいかもしれません。
例えば「abandon(捨てる、諦める)」という単語。
知り合いに、「奥さんの尻に敷かれている男性」とかいませんか?仮に後輩の「田中君」がいつも奥さんに頭が上がらない人だとしましょう。
そこで、シンプルにこんな例文を作ってみます。
そして「abandonと言えば田中」というイメージを作ってみてください。
次の日にabandonという単語を見た時に、abandon→田中→田中の奥さんは田中を見捨てる→捨てる・諦める、というように意味が浮かんでくるかもしれません。
abandon=捨てる、諦めるという意味が出てくるのに少し時間がかかりますが、繰り返していけばこの「プロセス」はスキップして、一気に意味が出てくるようになります(細かい話はしませんが人間の記憶はそういうものです)。
歌やラップにする(強烈な体験記憶とくっつける)
最後はまさに邪道です。
人間の記憶には様々な分け方がありますが、そのうちの一つが「意味記憶」と「エピソード記憶」です。
おおざっぱな説明をすると、意味記憶とはまさに勉強して得る知識のように「覚えようとして覚える記憶」で、エピソード記憶とは「思い出のように自然に記憶に残っている記憶」のことです。
意味記憶だけで覚えれられないのであれば、このエピソード記憶的な記憶法を使ってしまおう、という考え方です。
こちらもやり方は人それぞれですが、例えば覚えられない単語を「歌」のようにメロディーをくっつけて覚えたり、「ラップ」のようにリズムを付けて覚えたりします。その際には中途半端にやるのではなくシリアスにトライすると「体験」として残ります。
体験が再生されると単語の意味も併せて再生される、という流れです。
ただし、このやり方はレパートリーも限られますし、かなり力技なので多用はおすすめできません。
どうしても覚えられない、けれどもどうしても覚えたい、という単語が出てきた際にのみ使っていただければと思います。
まとめ
単語がある程度ストックされると英語の学習も発展性を帯び、楽しいものに変化してきます。最初の単語インプットは辛いですが、記憶の仕組みを意識しながら効率的に覚えていきましょう。